楽しみ方

栄養がたっぷりと含まれた植物にお湯を注ぐことで、香りや味が楽しめ、さらには心身のバランスを整えてくれるハーブティー。やる気をアップさせてくれたり、神経を落ち着かせてくれるなど、さまざまな効果を期待できるハーブティーは、カフェインレスということもあり休日のお供にぴったりの優しいお茶です。
別荘地でハーブの苗を地植えにすれば、育てるのもそう難しくないのだとか。森や林に囲まれた別荘で、ハーブを育てて、葉や実を摘み、いれ立てのハーブティーでホッとひと息。そんな安らぎの時間をもってみませんか?

ハーブティーの選び方のコツ

ハーブティーとは、植物のハーブの葉や茎、実を乾燥させて煮出し、それを飲用にしたものを指します。実にさまざまな種類があるため、ハーブティーを初めて取り入れる人にとっては、何から試していいのか悩んでしまいそう。その場合は、あらかじめタイプ別にブレンドされているものを選ぶとよいかもしれません。たとえば、「リフレッシュしたいときのハーブティー」「女性のためのハーブティー」などのネーミングで販売されているものを、ハーブやアロマテラピーの専門店で求めて、その後、自分の体調や気分によって徐々に好みのハーブティーを見つけていくと楽しいでしょう。

 

男女ともに、気分や体調に合うハーブはあります

ハーブティーをおいしくいただく方法を教えてもらうため、今回は、世田谷区下北沢にある『カフェつゆ艸(つゆくさ)』を訪れました。店主、露崎由美さんによると、「ティーバッグで市販されているハーブティーは使いやすいのですが、葉や実をそのまま乾燥させたホール状のドライハーブに比べると風味が落ちます。ですので、できれば、ティーバッグではなくホール状のハーブを買ってほしいです」と教えて下さいました。
「そして、飲む直前にドライハーブをすり鉢でつぶすと、香り豊かなハーブティーをいただけますよ。すり鉢以外であれば、電動のコーヒーミルをハーブ用にしてガリガリッと挽く方法もおすすめです」

「ハーブは、香りを嗅ぐだけでもリラックスできますよ」と、露崎さん。

初心者でも飲みやすいハーブティーとは、どのようなものなのでしょうか。
「ペパーミント、ハイビスカス、カモミール、ローズヒップ、レモングラスあたりが、親しみやすい味だと思います。ハーブティーが少し苦手だなと感じる人は、番茶やほうじ茶にレモングラスを少しブレンドしてみるといいかも。日本茶と相性がいいので飲みやすいですよ」

男性と女性それぞれに、ハーブを勧めるとしたら?
「男性にはルイボスティーが人気です。紅茶のような風味で飲みやすいですし、茶葉に含まれるポリフェノールやミネラルが活性酸素を除去してくれて、新陳代謝が活発になると言われています。また、パソコンを多用する男性には、目の疲れを緩和してくれるアイブライトというハーブがおすすめ。それから、頭をシャキッと目覚めさせてくれるローズマリーもいいですね。ローズマリーは抗酸化作用が高いとされて『若返りのハーブ』と呼ぶ人もいるほどなのですよ。
女性には、何よりもローズ。女性ホルモンのバランスを整えてくれる、優美な香りが特長のハーブで、生理前や更年期障害の症状を和らげると言われています。ラズベリーリーフも、生理痛や産前産後に飲んでほしい。そのほかには、ビタミンCやベータカロチン、鉄分、マグネシウムなどが豊富に含まれていて、貧血やむくみの改善に役立つネトルもおすすめです」

 

朝と夜におすすめのハーブティーは

朝と夜、それぞれに適しているハーブについても教えていただきました。
「朝起きて、ぼんやりしている頭を目覚めさせたいときは、ローズマリーとペパーミント、レモングラスなど、ほどよい刺激を与えてくれるハーブを摂取すると頭がスッキリします。夜は、リラックス効果が高いラベンダーを。ただし、ラベンダーだけだと飲みにくいかもしれないので、ペパーミントをプラスするといいでしょう。ペパーミントを飲むと、最初は頭がシャキッとするのですが、徐々に鎮静に導いてくれますよ」

ハーブを買うときのポイントとしては、「できるだけ無農薬のものを選んでほしい」とのこと。
「直接口に入れるので、無農薬と表示されているものが安心ですね。また、なかには交配されている観賞用のものもあるので、学名が書いてある純粋なハーブを選ぶといいでしょう。たとえば、ペパーミントであれば『Mentha x piperita』という学名が表記されているものが、正真正銘のペパーミント。そうやって学名付きのものを選べば、そのハーブがもつ成分を充分に摂取できます。それから、注意点としては、妊娠中や薬を服用中の人は飲用しないほうがいいハーブもあります。なので、該当する人は、お医者さんに聞いてからハーブの購入を決めるといいと思います」

 

ハーブは別荘地で育てやすい植物

気分をリフレッシュさせてくれたり、深い安らぎをもたらしてくれるなど、私たちの暮らしにさまざまな恵みを与えてくれるハーブ。専門店でホール状のハーブを購入するほかに、自宅でハーブを育てて、摘みたてのハーブをフレッシュハーブティーとしていただくという楽しみ方もあります。
「多くのハーブは、地植えであれば放っておいてもグングン育つほど、手がかからない植物です。プランターで育てる場合は朝晩の水やりが必要ですが、別荘地のように森や林に囲まれた環境であれば、何もしなくても勝手に育ちますよ。最初に植えるとしたら、ローズマリーやペパーミントが育てやすいでしょう。冬になれば枯れますが、地植えであれば、そのままにしておくと春にまた芽を出します。気軽に始めてみるといいと思います」

リゾートエリアにあるハーブ専門店

ハーブティーのある生活を始めるにあたり、信頼できるハーブ専門店が近くにあると、より嬉しいですね。リゾート地には、高品質のハーブを扱う専門店がいくつもあるので、一度訪れて、ハーブやハーブの苗を購入してみるといいでしょう。

□ 蓼科エリア 『蓼科ハーバルノート・シンプルズ
八ヶ岳の麓の長野県茅野市にある、日本のハーブやアロマテラピーの草分け的存在である萩尾エリ子さんが主宰するショップ。

□ 軽井沢エリア 『夢ハーベスト農場
1万5千平方メートルの広大な敷地に、350種類以上のハーブや1万株のラベンダー、350種のオールドローズをはじめとしたバラが栽培され、新鮮なハーブを使ったハーブティーをいただけるカフェも併設されています。

□ 那須高原エリア 『那須高原HERB’s
2400坪ほどのハーブ農園で育てられたハーブ苗の販売や、ハーブティーやアロマグッズなどを揃えるショップやカフェも。どの店舗もオンラインショップを展開しているので、インターネットで購入することもできます。

 

家庭で楽しめるハーブティーのいれ方

『カフェつゆ艸(つゆくさ)』では、お客様の気分や体調を聞いたうえで、それに合うハーブをブレンドしたオリジナルハーブティーを提供することが多いとか。乾燥させたホール状のハーブ以外に、摘みたてのハーブを使用することも。この日は、ペパーミント、セージ、レモンバーベナ、パイナップルミントのフレッシュハーブティーをいただきました。

ハーブティーのいれ方と味わい方

  1. ハーブをティーポットに入れて、熱湯を注ぐ。(乾燥させたホール状のハーブは、すり鉢などでつぶしてからポットに入れる)
  2. 香りが逃げないように蓋をした状態で、2~3分置く。
  3. カップに注ぎ、まずは鼻から香りを深く吸い込む。そうするとハーブの成分が脳にも行き渡る。

 

暑い季節にぴったり! 夏の疲れを癒す「ハイビスカスのスパイシーソーダ」

ハーブは温かいお茶としていただくだけでなく、ほかにも楽しみ方はたくさんあります。たとえば、夏に最適の方法としては、あらかじめハーブのシロップを作っておくこと。それをソーダで割れば、手軽に夏バテ解消ドリンクが出来上がります。見た目も美しいスペシャルハーブドリンクがあれば、別荘ライフが一段と華やぎそうです。

スパイシーソーダの作り方

  • スパイシーシロップ 大さじ2(お好みで)
  • ソーダ水 約120ml
  • レモン 1/8カット
  1. グラスにレモン汁を絞り入れる。
  2. 1にスパイシーシロップと氷を加え、ソーダを注ぐ。

 

スパイシーシロップの作り方(6杯分)

  • 水 300ml
  • 砂糖  300g
  • ハイビスカス(ホール状) 大さじ2
  • ローズヒップ 大さじ1
  • 山椒の実 15粒
  • タカノツメ 1本
  • シナモン 1本
  1. 山椒の実はつぶし、タカノツメは細かくちぎる。
  2. 水に、山椒の実とタカノツメ、シナモンを入れ、弱めの中火で10分温める。
  3. 火を止めて、ハイビスカスとローズヒップを入れて3分ほど置く。
  4. 砂糖を加えてかき混ぜる。
  5. 4を茶こしで濾す。
  6. 粗熱がとれたら出来上がり。シロップは冷蔵庫で保存します。1ヶ月ぐらい持ちます。

 

ハーブティーで心と体を労わる、とっておきの別荘ライフを

今、自分はどんなハーブを求めているのだろう──。ときには、自分自身にそんな問いを投げかけてみるといいのかもしれません。そして、心の声に素直に耳を傾けて、自分に合うハーブを取り入れてみてはいかがでしょう。
今回お話を伺った『カフェつゆ艸(つゆくさ)』の露崎さんは、「ずっと元気でいられるのはハーブのおかげかも。たとえ心配事があっても、育てているハーブに向かう時間は何も考えずに無心になれます。そして、いれ立てのハーブティーを飲む時間は心からホッとできるんです」と、教えてくれました。
別荘で過ごすときぐらいは、ハーブの香りに包まれながらお茶でひと息入れて、日頃疲れている心と体を労わってみては? そんなとっておきの時間をもてば、別荘に足を運ぶことがさらに楽しみになるはずです。

 

カフェつゆ艸

住所:東京都世田谷区代沢5-32-13
営業時間:13:00~18:00 不定休

 
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※本記事の情報は、公開当時のものです。以降に内容が変更される場合があります。

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