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空気の澄んだ土地を訪れると、夜空に輝く満天の星々に魅了されてしまう──。そんな経験を味わったことはありませんか? 写真や映像でいくらでも見ることができる星空ですが、自分の目で見るのは、また格別の感慨がありますよね。

別荘地は、街灯りが少なく、自然豊か。星空を堪能したい人にとっては、絶好のロケーションです。そこで今回は、別荘地、リゾート地の夜をより奥深く味わっていただきたく、望遠鏡での天体観測についてご紹介します。

たとえば、幼少時代に星が好きで、天体望遠鏡に憧れた人も。星や月、さらには木星や土星をカメラで撮影してみたい人も。天体望遠鏡を覗く時間を設ければ、その瞬間にしか味わえない、壮大で神秘的な世界に出会えますよ。

楽しみ方は「見る」「撮る」の2タイプ

今回、天体望遠鏡の魅力や使い方などについて教えて下さるのは、天体望遠鏡や双眼鏡などの光化学製品の専門販売店『ネイチャーショップKYOEI東京店』店長の蔦谷忍さん。蔦谷さんは、

「天体望遠鏡の楽しみ方は、『見る』。もしくは『撮る』。この2タイプに大きく分かれます」

……と、おっしゃいます。

「たとえば、望遠鏡で木星の縞模様や土星の輪を見て、宇宙の壮大さに感じ入ったり。または、ダイナミックでカラフルな星雲や、その日によってクレーターの影の具合が変わる月を写真に収めたり。初めは『もっと良く見てみたい』というシンプルなところから始まるのだと思いますが、そうこうしているうちに、ご自分なりの楽しみ方を見つけて夢中になるかたが多いようです」

入門機でも土星の輪が見えます。

​子どもの頃に、「土星の輪や月のクレーターを見てみたいなあ。見えたらすごいだろうな」と、心をワクワクさせたことはないでしょうか。でも、その希望が叶わなかったという方、または、大人になって興味を抱き始めたという方もいらっしゃるでしょう。さらに、​やるならトコトン究めたいという場合も、​天体観測の世界は、どんな人にもふさわしい楽しみ方を用意してくれているようです。

 

初めはこの天体望遠鏡から始めよう

それでは、これから天体観測を始めたいという人は、何から揃えればいいのでしょう。初心者向けに、おすすめのアイテムを教えて下さい。

「望遠鏡には、接眼レンズを使っている屈折式望遠鏡と、凹面鏡を利用している反射式望遠鏡があります。

反射式は屈折式に比べてメンテナンスが難しいので、初めて購入する場合は屈折式がおすすめです。なかでも、星や月、惑星を見て楽しみたいということであれば、VixenのポルタⅡシリーズ『A80Mf』が最も使いやすいでしょう。

望遠鏡で木星の縞模様や土星の輪を見たいときに何が必要になるかというと、接眼レンズの倍率です。100~150倍の倍率のレンズを使うと、ある程度の大きさで見ることができます。そういった意味では、Vixenの『A80Mf』には46倍と146倍の接眼レンズが付いているので、木星や土星を充分に観賞できます」

高倍率のレンズを使うと、大気のほんの少しの揺れも観測の妨げになることがあります。

​「天体望遠鏡本体と安定感のある架台、そして三脚。この3つがあれば、入門編としては過不足ないと思います」

 

月の観賞からスタートして、次のステップで惑星探し

木星や土星を観察したいからといって、夜空に望遠鏡を向ければすぐに見つけられるというわけではありません。ポイントは、月の観賞からスタートすると良いそうです。

「望遠鏡の視野は、非常に狭いものです。特に高倍率になればなるほど、目的の星を収めることが難しくなります。それをカバーするために、天体望遠鏡本体には、倍率が6倍ほどの小さな望遠鏡が付いています。その望遠鏡であれば、見る対象物は6倍にしかなっていないので見つけやすいですよね。というわけで、まずは日中の明るい時間に覗いて、​倍率が6倍の望遠鏡と本体の望遠鏡が同じ対象を捉えられるよう、6倍のほうの軸=向きを微調整しておきます。

そして夜になったら、6倍のほうで月を見る。そうすると、同時に本体側でも月を視界に収めていることになります。『A80Mf』にはふたつのレンズがついているので、倍率の低いほうから順に対象を収めるようにすれば、さらに簡単だと思います。この方法に慣れれば、木星や土星も見つけやすくなりますよ」

木星や土星がどの方角にあるのかについては、インターネットで調べることができるとか。それぞれの位置を事前に調べておき、その方角に望遠鏡を動かしてレンズの倍率を徐々に上げれば、簡単に捉えることができるのです。肉眼では、まるで点のようにしか見えない木星ですが、もしも表面の縞模様も見ることができたら……、感動ですよね。

 

目的の惑星に焦点を当てる方法

(左)本体には、6倍ほどの倍率の小さな望遠鏡が付いています。側面のネジで、望遠鏡の向きを細かく動かすことが可能
(中)日中の明るい時間帯に、小さな望遠鏡を覗き、目印になる建物などで本体との軸(向き)を合わせ、両方が同じ対象を捉えるよう調整します
(右)夜になったら、本体に46倍のレンズを設置して、まずは目印の建物を確認。フレキシブルハンドル(別売り)を使えば、望遠鏡の向きを細かく調節できます
その後、月や惑星など、自分が見たいものに向けて望遠鏡を徐々に動かし、さらにレンズの倍率も上げれば、月や惑星のダイナミックな様子を見ることができます。

 

ベーシックでは満足できない人のためのモデル

写真を撮りたい方におすすめの天体望遠鏡

望遠鏡を覗いて観察することが目的ではなく、月や星を写真に撮りたいという人には、一眼レフカメラに取り付けるタイプの望遠鏡がおすすめ。手持ちの三脚、経緯台、赤道儀にセットすれば使用可能。「デジタルカメラの技術進歩により、プロ級の写真を撮ることも夢ではありません」

■ボーグ(BORG)[6207] BORG107FL天体鏡筒セットCR
□販売価格:319,464 円(税込)

どうせやるなら、とことんこだわりたい方におすすめの天体望遠鏡

「天体観測マニア、特に写真撮影をする人が『いつかは高橋』と憧れを抱いている国産メーカーが、高橋製作所です。天体望遠鏡の架台には経緯台と赤道儀というものがあるのですが、高橋は、天体写真の撮影に欠かせない赤道儀しか作っていないほど、上級者向け。海外からわざわざお買い求めに来るお客様もいらっしゃるほどです」

■タカハシ 鏡筒 FSQ-130ED
□販売価格:1,317,600 円(税込)

 

「でも難しそう……」という人のための全自動ユニット

「コンピュータの進化により、最近は星を自動的に探してくれる機能付きの架台もあります。見たい星を選べば、自動でその方向を向いてくれるんです。すごいですね(笑)。たとえば一度オリオン座のベテルギウスを視界に収めたら、その後は自動で追尾してくれます。このタイプの架台から天体観測を始めることで、趣味として長く続けて下さるお客様も多くいらっしゃいます」

■スカイウォッチャー EQ6R赤道儀
□販売価格:213,840 円(税込) ※近日発売予定

 

レンズにカビは大敵。湿気には注意を

初心者向きのものから、マニアの憧れブランド、そして全自動機能付きまで、天体望遠鏡にはさまざまなタイプがあることがわかりました。初めはオーソドックスなものからスタートさせるとして、使用上の注意点などはあるのでしょうか。

「カメラのレンズはカビが大敵なので、湿気が多いところにはできるだけ置かないようにして下さい。また、ベランダや庭で使っていると砂ぼこりがつくことがあります。その場合はクロスでは拭かずに、カメラ用のほこりを飛ばすためのブロアーを使いましょう。そうしないとレンズの表面が傷だらけになりますから。また、夜露が影響して結露することもあるので、そのときは、使用後にしばらく陰干しするといいですね」

月や星の見え方は、その日の大気の状態によって変わると言います。鮮明に美しく見えて感動する日もあれば、思い描いていたようには見えず、少し意気消沈することもあるでしょう。けれど、別荘ではそんなときも焦らず、空とのつき合い方をゆったりと育んでみては? 自然の雄大さに包まれて、疲れは癒され、心が次第に満たされていくはずです。

学生時代は天文部に所属していたという、蔦谷さん。天体観測に関する知識量はさすがです。

 

ネイチャーショップKYOEI 東京店

住所:東京都千代田区神田須田町1-5村山ビル1F
営業時間:10:00~19:00 定休日:日曜日

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