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日常の慌ただしさを忘れ、自然に囲まれて趣味や非日常の環境を思う存分楽しんだり、ただゆっくりと流れる時間に身を任せて心のデトックスをしたり…。別荘の購入を考えると、やりたいことや実現したいライフスタイルなど、想像が膨みます。
一方で、いざ別荘の購入をする際にはいろいろなことが気になってくるでしょう。その1つが、別荘に掛かる様々な「税金」についてではないでしょうか?

今回、別荘購入にかかる税金について、根岸税務会計事務所の所長代理・根岸 新さんにお話を伺いました。正しい知識があれば、別荘購入時の不安を減らすことができます。「何でも相談されて、何でも答えられる税理士」を目指していらっしゃいます根岸先生に、早速別荘に関わる税金について伺っていきましょう。

 

課税のタイミングは3つ

別荘に関する課税のタイミングは、大きく分けて3つのステージに分けて考えることができます。はじめに購入時、次に別荘を維持している時、そして最後は別れの時、売却時です。
別荘にかかる税金は、基本的な考え方は住居と同じですが、地域によっては別荘税といった特有の税金があります。また、原則として別荘は、住居としての軽減措置は受けられないことは注意しておく必要があります。ただし、セカンドハウスの要件を満たすことで、不動産取得税の税率や、固定資産税の軽減措置が受けられます(定住する場合は住居同様)。

関連リンク:「セカンドハウスとは?」税制・税金の優遇措置を受けつつリゾートライフを満喫する方法

別荘は今後の時間を共に過ごすパートナーであり、大切な資産です。購入後に、「しまった!」とならないためにも、どのような税金が掛かってくるのか、購入前から知っておくことが大切です。
当記事では、まずそれぞれのステージで掛かる税金の概要について一通りお話し、次回以降、各税金について解説していきます。

 

1.購入時に掛かる税金

まず別荘購入時に掛かる税金ですが、「不動産取得税」と「登録免許税」の2つと購入の手続きの際に、売買契約書等に対しては金額に応じて「印紙税」が必要になります。

【不動産取得税】
不動産取得税とは、所得に関係なく不動産を取得した事実に対する課税で流通税*の一種です。自動車を取得した時に払う、自動車取得税と同じです。売買、贈与で不動産を取得したとき、また新築・増築したときに都道府県が課税する地方税です。建物と土地にそれぞれ課税され、別荘を購入すると半年~1年くらいの間に各都道府県から「納税通知書」が届きます。同通知書を使って、金融機関で税金を納付することになります。

*流通税…財産や権利の取得・移転などに対して課される税金のこと。

【登録免許税】
別荘購入時に掛かる、もう1つの税金は登録免許税です。土地や建物を建築したり購入したりしたときに、所有権保存登記や移転登記などをします。この登記をする際にかかるのが、登録免許税です。登録免許税は、固定資産税評価額*をもとに計算されます。

*固定資産税評価額…総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて、市町村が個別の土地・不動産に対して策定した評価額のこと

 

2.維持(別荘購入後)に掛かる税金

別荘購入後に掛かってくるのが、「固定資産税」と「住民税(市・県民税)」です。固定資産税は、自動車をお持ちの方なら自動車税を支払うように、不動産をお持ちになれば、納税義務が発生します。
また、維持の段階で掛かる税金として、別荘を個人で持つか、法人で持つかによっても、その維持に掛かるお金に差が出てきます。場合によっては節税に繋がることもあります。

【固定資産税・都市計画税】
固定資産税は、毎年1月1日時点の土地や建物の所有者が納税の義務を負います。市区町村が税額を計算し、納税義務者に納税額を通知し、納税者はそれに基づき税額を納付します。固定資産税の額も、固定資産税評価額をもとに計算されます。また、別荘が都市計画法による市街化区域内に所在する場合はさらに都市計画税も納めることになります。

<固定資産税の計算式>
税額=固定資産税評価額 × 1.4%

<都市計画税の計算式>
税額=固定資産税評価額 × 0.3%

  ※税率は市区町村によって異なります。

なお、固定資産評価額は、3年に1回見直されます。建物は、基本的には毎年、減価していきますが、土地については近くに温泉が出たり、リニアモーターカーの開通が予定されたりなど、不動産価格が上昇するような事案があれば、減価していくとは限りません。

【住民税(市・県民税)】
よく、「住民票を移していなくても住民税が掛かるのか?」という疑問を耳にします。別荘を持つということは、家屋敷を持ち、その市町村のライフラインを使うことになります。そのため、住民税の基本料金ともいえる、均等割を支払う義務が生じるのです。その町で住んでいる方の均等割相当額を収めることになります。要するに、別荘のある市区町村に住民票を移さなくても、これらの住民税を支払わなければならないのです。
※「別荘等保有税」という形で徴収している熱海市のような例もありますので、すべての市区町村で同様に課税されるわけではありません。

固定資産税や住民税は、保有している限り掛かり続ける税金です。別荘購入時において、「維持保有するうえでの税金をどのようにコスト化、損金算入するか」ということもポイントになってきます。法人所有の場合は、固定資産税を損金算入することができます。

 

3.売却時に掛かる税金

様々な事情により、別荘を手放すこともあるでしょう。多くの場合、購入時よりも安い金額で売却するケースが多いため、その際には課税されることはありません。一方で、購入時よりも土地の値段が上がったなどによって高く売却でき、利益が出た際には税と向き合うことになりますので、その場合の売却時の税金についてご説明します。

【所得税】【住民税】
売却時に掛かる税金ですが、買い値より売り値が高く、諸経費を引いても所得が出た場合、いわゆる譲渡差益が出たときは、「所得税」と「住民税」が発生します。現在、所得税が15%、復興特別所得税が所得税率(%) × 0.021=0.315%、地方税が5%ですので、税額は以下の式となります。

<所得税・住民税の計算式>
税額=譲渡所得 × 20.315%(保有期間が5年超の場合)
※売却損が発生した場合は、納税の義務は発生しません。

なお、先代の別荘を相続する場合、他の預貯金と自宅、別荘も合算し、相続税額を計算します。別荘の相続登記には登録免許税がかかります。

 

3つのステージごとに掛かる税金のまとめ

概 要
1.購入時に掛かる税金 【不動産取得税】
不動産を取得した事実に対する税金。
【登録免許税】
土地の購入、建物の建築を行った際に行う、所有権保存登記や移転登記等にかかる税金。
2.維持に掛かる税金 【固定資産税・都市計画税】
毎年1月1日時点の土地や建物の所有者が支払う税金。
【住民税】
住民票を移さなくても、その土地のライフラインを使うためにかかる税金。
3.売却時に掛かる税金 【(譲渡差益が発生した場合)所得税・住民税】
別荘の買い値より売り値が高く、諸経費を引いても所得が出た場合にかかる税金。

多くの方にとって、別荘購入は、人生に何度も訪れるものではないでしょう。そのため、最低限知っておくべき税金の知識があることで、別荘購入時の不安を解消することができるでしょう。

根岸先生によると、「住居の不動産取得税は特例により平成30年3月31日まで標準税率が軽減されて4%から3%に下がっています。別荘もセカンドハウスとしての要件を満たせば、この標準税率の軽減を受けることもできます」とのこと。別荘を購入するには、良いタイミングと言えるかもしれません。

次回は購入時に掛かる税金に焦点を当てます。根岸先生が知っておくべきポイントとして挙げた点について、詳しく説明していきます。

 

監修

根岸 新

根岸税務会計事務所・所長代理。大学卒業後、新宿の高田馬場に事務所を構える同税理士事務所に入社。3代目として、所長代理を務める。ホームページでは「親子間のお金の貸し借り」や「ふるさと納税」といった気になるトピックスをわかりやすく解説するなど、「何でも相談されて、何でも答えられる税理士」を目指している。

※本記事の情報は、公開当時のものです。以降に内容が変更される場合があります。
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