暮らし術

八ヶ岳でスタイルのある田舎暮らしを実践している、友枝 康二郎さんのエッセイをお届けします。第3回は、都会では決して叶わなかった、友枝さんの夢のライフスタイルについてです。

第1回:車一台分の費用で、八ヶ岳ライフが始まった!〜友枝康二郎さん新連載
第2回:憧れと理想を形にした、八ヶ岳スウェーデン製ログハウスのあれこれ

僕は、20歳に自動二輪の免許を取得して、400ccのバイクを買い、会社の先輩達とツーリングに行くようになりました。
ゴールデンウィークに行った八ヶ岳へのツーリングが、今の生活のきっかけになったわけですが、その時はそんなことは知るよしも無く、先輩の義兄の別荘に泊めて頂き、薪ストーブを囲みながらの団らんに感動したのです。
「僕もいつかはこの様な別荘を持って人生を楽しく過ごしたいな!」
普通だったら、叶わぬ夢と思い、誰もが忘れてしまうのだろうけど、僕は、無い物ねだりが強くて、いつも上を向いて、坂の上の雲を追い求めるタイプ。人とは違うマイノリティーな思考と言うのが、クリエイターのサガでもありますね。
なので僕は、「思い描く人生」を求めて、人生を歩んでいこうと思ったのです。

 

小説を読みながら思い描いた夢

僕は1958年生まれなので、『アメリカン・グラフィティ』、『小さな恋のメロディ』など、おしゃれで夢のある生活が日常として描かれているアメリカンドリームを青春時代にテレビで見ながら育ちました。
吹き抜けがあって、ウッドデッキ、天窓、広い庭、薪ストーブのあるリビング、そしてガレージにお気に入りの車やバイク、趣味のコレクションルームなど、この様なシーンはアメリカのホームドラマで当たり前に出てくる住環境です。

20歳の頃の自分は、安アパート住まい。もちろんお風呂も付いていなく、銭湯代もケチって、3日に一遍しか入らないという貧乏生活でした。
唯一の贅沢はローンを組んで買った400ccのカワサキ!
当時は、片岡義男の『スローなブギにしてくれ』彼のオートバイ、彼女の島』『ときには星の下で眠る』という小説がバイク乗りのバイブルで、僕もツーリング中は、小説の主人公になれたのです。

 

29歳で実現させた、夢のライフスタイル

最初に憧れた八ヶ岳には、毎年何度かツーリングに行くようになりました。お金が無いのでキャンプ。
『ときには星の下で眠る』を地で行っていました。そのうちに、20歳で泊まった先輩の義兄の別荘の事を思い出すようになります。
八ヶ岳に別荘があれば、ガレージもその横に作って、そこにバイクや車を置いて、朝目が覚めたら、ひとっ走りしてくる!
そんな夢の様な事が実現できるといいなと切に思う様になりました。
そして、その数年後。29歳で脱サラをして、僕は憧れだった八ヶ岳に別荘を建て、DUCATI 239 DESMOも手に入れました。

憧れだったDUCATI 239 DESMOも手に入れた!

こんな風に書くと、僕がお金持ちのように思うかもしれませんが、そうではありません。
もちろん、脱サラしてがむしゃらに仕事した分だけ、収入は増えました。
DUCATIや、その後に買ったPORSCHEは、友人のツテで、日本車と同額程度の格安で手に入れる事が出来ました。
これも、八ヶ岳に別荘を建てて、ガレージがあったから可能になったこと。

八ヶ岳の別荘は、30年ローンを組んで建てました。
その当時、東京の自宅は、昭和30年代に建った借家でおんぼろ。
実は、ここがマイノリティーな考え方!
普通は、まず自宅をローンを組んで手に入れるでしょう。
しかし、そこに30年ローンを組んだら、別荘などは定年の退職金でないと現実にはなりません。
脱サラするときに、妻と今後の人生の生き方を語り合いました。
お互いに夢があり、それを都会で達成するには、億単位の収入が必要です。
なので僕らは、自宅はぼろ家のままで、週末の別荘で夢を叶える事にした!

こうして、夢見たライフスタイルを全て手に入れる事が出来ました。それも総額2500万円ほどで310坪の土地も一緒に!
都心で2500万円では、小さなワンルームマンション位しか買えないでしょう。

 

バイクツーリングを思いっきり楽しむ、八ヶ岳でのライフスタイル

僕は今、移住相談に訪ねてくる人に、この様な事を「夢の前借り」と言っています。
マイノリティーな考え方には、思い切りもいるしリスクも伴うけど、夢が現実になる!
費用対効果はかなり高いと思うのです。
人生80年位なのだから、元気なウチに夢を先取りした方が絶対に楽しい!

今は、PORSCHEは手放してしまったけど、DUCATIは今も現役で楽しく乗っています。

朝、天窓から射し込む朝日で目が覚める。
ちょっと早起きして、ガレージからDUCATIを引っ張り出してキックする。
ドドドドドッと心地良いエンジン音が響く。
ガレージから走り出せば、目の前には、かつてツーリングで何度も走ったWindingRoadがある。
走り慣れた森の道を、朝靄を蹴散らしながら走り抜ける。
コーナーも熟知している。右に左にと体を傾ける。
八ヶ岳横断道路を走りきると清里だ。
まきば公園にて一息ついて、今日は八ヶ岳を一周しよう。
かつては、キャンプをしながら回った同じコースを、朝飯前で走ることが出来る。
中央自動車道の往復の渋滞にも、今は縁が無い。

僕は今年58歳だけど、未だに20歳の頃と同じ様にバイクツーリングを愉しんでいます。

海の口牧場にて。僕の住む原村は、この真裏になる。

海の口牧場にて。僕の住む原村は、この真裏になる。

そして、今は趣味が高じて、原村の八ヶ岳自然文化園にて、ビンテージバイクのイベントであるHighland Gatheringを開催しています。
かつての、僕の様に八ヶ岳のワインディングと高原ライフに憧れる大人達が、毎年集ってきます。
この様なイベントを開催できるのも、僕が八ヶ岳に住んでいるからです。

毎年7月の第一週に開催されるHighland Gathering。
今では、日本でも有数のビンテージバイクが集う祭典です!

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芝生の中に収まる、ビンテージバイクやビンテージカーなど、 まるでヨーロッパの様な、なんとも絵になる光景が広がってます。

また、時にはオフロードバイクで、林道を走ったり、道無き場所を散策したりと、八ヶ岳のフィールドをオンオフ両刀で満喫しています。

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思い描く人生を実現するために

思い切って八ヶ岳に移住してみて、思うことがあります。
人生というのは、みんな同じ持ち時間です。でも、その過ごし方で、人生の厚みは変わっていきます。
今、僕はとても充実して、毎日が「最高!」と思える日々を過ごしています。
夢を実現するのに、出来ないと言う理由を述べるより、夢が叶ったら、こんな風になるね!と言うビジョンを思い浮かべてみましょう。

自分が、愛車のバイクをガレージから出して、目の前に広がる理想のワインディングロードを走っている!暫く走ったら、行きつけのカフェで一休み。マスターと、今日の走りについて語り、夕暮れ前に我が家へ帰ってくる。

そんな、人生をこれから過ごせたら良いなあ!と本気で思うのです。
後は、初めの一歩を踏み出して、行動に移すだけです!

まずは、出来る事から始めて見ましょう!

 
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※本記事は、友枝康二郎氏の知識と経験にもとづくもので、わかりやすく丁寧なご説明を心がけておりますが、内容について東急リゾートが保証するものではございません。
※本記事の情報は、公開当時のものです。以降に内容が変更される場合があります。

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