楽しみ方

別荘ライフを送っていると、その土地ならではの美味しい食材や郷土料理に接する機会が増えますよね。地元の飲食店を訪ねれば、たいていの場合“ご当地グルメ”はオーダーできますが、せっかくですもの、自分で作ってみたいと思いませんか?
当企画では、季節ごとに楽しめる、リゾート地の郷土料理を連載でご紹介します。第1回目は、千葉県房総半島で漁師料理として愛されている「アジのまご茶(まご茶漬け)」。旬のアジを使って、漁師料理を堪能しましょう!

新鮮なアジを求めるなら、房総半島の勝浦エリアがおすすめ!

獲れたてのアジで「アジのまご茶」を味わいたい! という場合は、房総半島の南東部に位置するいすみ、御宿、勝浦、鴨川といったエリアで、新鮮なアジを求めることをおすすめします。いずれも太平洋側の外房に面しており、沖合は暖流と寒流が交わる場所があることから、海の生物がとても豊富。アジやクロダイ、メジナなどの魚が一年を通じて釣れるのです。地元の朝市で、活きのいいアジを求めるのもいいですね。夏の暑い日に、新鮮なアジで調理する「アジのまご茶」をざぶざぶといただきましょう。アジには血行を促進して血液をサラサラにしてくれる成分がたっぷり含まれているので、代謝が上がって夏バテ知らずの体に近づけますよ! そして寒い時期には、あつあつのお出汁で暖まるのもいいですね。

まごまごせずに食べられる、漁師町のソウルフード まご茶漬け

今回ご紹介する「まご茶」もしくは「まご茶漬け」とは、もともとは漁師料理です。漁師が船の上でまごまごせずに素早く食べられるように考案された料理で、アジなどの魚の身をヅケにしたり、ネギやミソ、ショウガを軽く和えて、それをごはんの上にのせ、魚のアラでとっただし汁をかけて食すものです。あまりにも美味しいため、「孫にも食べさせたい」という思いから「まご茶」と名付けられたという説も。現在は、家庭や飲食店でもよく食べられているほど、漁師町では馴染み深いソウルフードです。

材料(2人分)

アジ 1尾(3枚おろしにし、骨、頭を取っておく)
おろししょうが 適量
白ごま 少々
大葉 2枚
昆布 5cm
少々
しょう油 ひとたらし
ごはん 2膳

「アジのまご茶」の作り方

  1. アジは骨を抜き、塩少々をして5分ほど置いて皮をひく。5mm〜7mm幅のぶつ切りにする。
  2. アジの骨と頭は血合いを抜き、多めの塩を振って30分ほど置く。大葉はせん切りにする。
  3. 2のアジの頭と骨をさっと洗って、小鍋に昆布、アジの頭と骨を入れて中火で沸かす。沸騰したらアクを取り弱火で20分ほど煮て漉す。
  4. ボウルに1のアジの身、しょう油、白ごま、大葉を入れて混ぜ合わせる。
  5. 茶碗にご飯を盛り、4のアジを乗せて、おろししょうがをのせ、3の熱いだし汁を注ぐ。

 

美味しく仕上げるコツは、新鮮なアジを使うこと!

熱いだし汁をかけていただく「アジのまご茶」は、アジの鮮度が高いうちにかきこみましょう。ひと口食すだけで口中にアジのうま味がふわーっと広がり、いくらでも食べたいと思うほどの旨味を感じるはずです。美味しく仕上げるコツは、何よりも新鮮なアジを使うこと。家庭によっては、出汁ではなくお茶や熱湯をかけていただくケースもあるので、いろいろと試して自分の好みを見つけるのも楽しいですね。

 

タカハシユキ

書籍、雑誌の料理撮影、企業広告、企業の商品開発など、フードコーディネーターとして活動。著書に『飲むだけくすりスープ』(大和書房)、『エブリデイ サンドイッチ』(河出書房新社)、『WMF圧力鍋レシピブック』(誠文堂新光社) 他。

撮影:神林 環

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