リゾートが身近な生活、セカンドハウスでの生活を満喫しているかたにお話しをお伺いする「Villaの達人」。物件探しや仕事とリゾートの両立についてお聞きした「『遊んでみる』ことからはじめるリゾートライフ〜前編」に続き、ヤフー株式会社の副社長、川邊健太郎さんのインタビューをご紹介します。
山も楽しむこと
で、この家が海側だとしたら、最近になって道路を挟んだ山側の土地も買えたんです。今はテントが張れる場所とキャンプファイヤーができる炉を作ったり、畑をやったり……。そのうち池も作って、ホタルを呼びたいと思っています。
それと、ちいさな山も含まれているんです。登山道も何もない自然林ですが、一度、分け入って頂上まで登りました。そうしたら、見晴らしがすごい! というわけで登山道を整備して、ここに来てくれた人にそれを体験してもらえたらな、と思っています。大きな木もあったので、地元の大工さんと一緒にツリーハウスでも作るのもいいね、と言ってたり。
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ちょうどこの日は、新調した大型テントの納品日。興味津々の仲間たちです
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キャンプファイヤーグラウンド。コンクリを流した本格的なもの

ひとまずいろいろ実験中の畑。山の動物に食べられてしまうとか
釣り、狩猟のこと
──いや〜、すごい。お仕事も忙しいでしょうに、いろいろやってらっしゃいますね。でも、「趣味」と言ったら、魚釣りと狩猟、なんですよね。
ですね。釣りは子どもの頃からずっとやっています。でも明らかにエスカレートしたのは、10数年ぐらい前からです。その頃、よく沖縄に遊びに行っていたんです。それで、地元で釣りのガイドをしている友だちができまして、その釣果写真を見せてもらったら……、当時の僕では想像もできないような巨大な魚を、岸から釣ってたんです。「すげ〜な」ってなって、その場で釣り道具を買って、連れて行ってもらいました。そこからですね。
ロウニンアジとかギンガメアジとか、普通はボートで釣りますが、そんなのが岸から釣れちゃうというか、釣ってる人が居るんですよ、沖縄は。
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釣り、狩猟の記念写真のシャンデリア。世界の巨大魚の写真が
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その中の一枚。遠洋のバラクーダ
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(ほぼ)釣り道具用ガレージ。釣り竿がセットできるジェットスキーまで
──海外に釣りに行ったり、船で巨大魚を追ったり……楽しんでらっしゃいますね。
猟欲・釣欲は衰えないですね(笑)。
夢というか、今狙っているのは、クロマグロです。船長任せのトローリングじゃなくて、もっと自分の力で釣るやり方がいいですね。外に置いてあるジェットスキー、あれで魚のそばまでいって……、掛かったらすごいことになりそうです。
──それは命がけの遊びになるのでは(笑)。狩猟、ハンティングの方はいかがですか?
そもそもは、国土交通省が出している「これからの日本がどうなるか」というようなテーマの本を読んだんです。そうしたら、山側の人口が減って動物が増える、人が困る、というようなことが書いてあったんです。実際に、今、地元の人も僕も、畑を荒らされたりしていますし。
じゃあ、猟なのかな、ってことで、免許をとって、猟友会に入って、お師匠に習って……ということを始めました。北海道に行ってエゾシカを撃ったり、この近くの人たちと一緒に害獣駆除しながらだったり。近隣のお役に立つといいな、と思いながらやっています。

いわゆるジビエ。週末に訪れるお仲間たちのお楽しみだとか
人、コミュニティのこと
──いろいろお伺いしていると、いろいろな「人」と関わって、その関係の中から何かが生まれている、という印象ですね。
はい、週末になれば必ず友だちやだれかが訪ねてきていますし、退屈しないですよ。
お隣さんはダイビングショップと大学の研究施設ですが、そこの方たちと一緒に遊んだり、いろいろお互いに手伝ったり。誰かがお米を持ってきてくれて、僕からは肉をお渡ししたり……、お米なんか、一生買わなくても大丈夫なんじゃないかな、という感じです。
ちょうど今、ガレージを新設していますが、やっていただいているのはみんな地元のかたたちです。この辺りの御神輿を担いだりもしますし、猟友会には定期的に会合がありますし……、
──そういうコミュニティ的なものには、積極的に参加するんですか?
そもそもこの場所は、先ほどお話ししたように、知り合いが住んでたんです。その人が、コミュニティに参加するのが好きな人で、お知り合い紹介してもらうところからスタートしました。そこからは、例えば猟友会のオジサンに「次に狩りにいく時は連れて行ってください」なんてお願いして、ある程度積極的に参加しています。
──コミュニティに溶け合うというか、こういうところで豊かに暮らすためには、そういったことも重要ですね。
東京のころは、ご近所づきあいみたいなものは本当になかったですから、楽しいですよ。この地区は、とてもフレンドリーなコミュニティです。だけど、聞くところによると、そうじゃないこともあるようです。外から来る人に対してなんとなくよそよそしかったり……、地区とか町内会的なものの性格がある。だから、別荘を買ったり移住したりするときは、その場所のムードを事前に知ってからにした方が良いと思います。不動産屋さんがあらかじめきっちりと教えてくれると、一番いいと思います。
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作業は地元の人にお任せ。近しい間柄が印象的
遊んでみて、自分を知って、より楽しくなること
──では最後に、楽しく豊かな生活を得るために、何か重要なことはありますか?
「空間を空けておく」ことでしょうか。例えばこの建物の元はボイラー室だった場所は、買った当初はしばらく放っておきました。それで実際に暮らしているうちに、ダイビング道具や海道具を置く場所が欲しくなって、そのためにそのボイラー室を使いやすく改装したんです。空間に遊びがあれば、自分が欲しいモノをカタチにできますよね。
いずれにしても、人生一度きりですからね、好きなこと、自分のやりたいことをやったらいいんじゃないかと思います。でも問題は、やりたいことが、実際に自分で遊んでみるまではわからないってことかもしれませんね。
例えば、受験戦争に勝ち、若くして成功して、早い時期に別荘を建てたとしても……、遊んだ期間が無かったら、面白くない場所ができあがってしまったりするんじゃないでしょうか。「この別荘、リゾートマンションがあることで、何か楽しくなるんだろう?」と疑問に思ってしまうような場所が……。
だから、新しく拠点を作ろうとするなら、今まで自分は遊んできたかな、と振り返って、もし遊んでいなかったら、まず遊ぶことを先にやった方がいいんじゃないか、と思います。
遊んでいれば、自分が何が欲しいのかが分かってきます。その上で、別荘なりリゾートマンションなり二拠点居住なりを考えればいいのではないでしょうか。
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「やりたいことをやった」例。客間の押し入れのふすまに気に入った絵を。風が演出
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その3。もともとは大浴場だった場所を、暖炉部屋に改造。熊は「釧路のお師匠」が獲った本物のヒグマ
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撮影:内田 龍
撮影協力(テント):CIRCUS OUTDOOR