こんにちは。沖縄在住の編集者でセソコマサユキと申します。僕が「なぜ」移住をし、「どうやって」沖縄で暮らしているか、そんなことを紹介する当コラム。今回は、沖縄で暮らすことの魅力のひとつだと思っている、離島への旅について。
沖縄という地の利便性
離島の話をする前にちょっと余談。これまで何度も語ってきたように、僕は神奈川県出身で、沖縄で暮らすこと自体が移住した5年前が初めて。だから沖縄には知り合いも少なかったんだけど、ありがたいことに、これまで寂しい思いというのをあまり感じてきていない。
ひとつには、沖縄には僕のような移住者も多いから移住者を受け入れてくれる土壌があるし、横のつながりも強いので、紹介を通してどんどんひととの繋がりが広がっていくから、ということもある。もちろん地域に深く関わっていく(信頼される)には、それ相応の時間や努力が必要だけど。近い世代や同じ感性をもったひとたちとたくさん出会えたことは、自分たちにとって本当にありがたいことだったな、と思う。
一方で地元を離れる、しかも沖縄に移住する、ということは、中学や高校、大学時代の友人、仕事を通して知り合った仲間たちとも気軽には会えなくなるということ。それについては寂しい思いをするかな、と思ったこともあるけれど、沖縄は観光地ということもあって、旅行がてら友人が会いに来てくれるケースというのが思いのほか多いのだ。
ちょうどこの原稿を書いている前の晩も、大学時代の友人が仕事で来沖。久しぶりにふたりで飲んで積もる話をしたばかり。ちょっと疎遠になっていた友人も、せっかくの機会だからと連絡をくれて、旧交を温めることができたりなんかする。それにいまはSNSを通してそれぞれの活躍を見ることもできるし、日本中にいる友人たちに会いにいく、というのも楽しみの一つになっていたりする。
だから心配するほど寂しさを感じることはないんだな、というのが移住してからの実感だ。
うちなーんちゅは離島に行かないの?
さて、本題。沖縄にはご存知のように「離島」がある。沖縄の海域には160の島々が点在していて、そのうち沖縄本島と、沖縄本島と橋などでつながっている11島を除いた148の島が「離島」と呼ばれる。さらにそのうち、39の島が有人島。石垣島を含む八重山諸島や宮古島など、いまや観光地としても注目度が高まっている。うちなーんちゅ(沖縄の人)は、あまりに身近だからなのか、そもそもそんなに自分の住む本島と変わらないと思っているからか、あまり離島に行かない、という話をよく聞くのだけれど、かくいう僕も移住前は離島旅をしたことがあったものの、移住してからはなかなか行けてなかったりして。。でも、仕事もあっていくつもの離島に行って思うのは、海のうつくしさは本島に暮らしていても毎回驚かされるほどだし、アクセスも良く、それでいて旅の気分も満喫できるし、こんな魅力的な場所に行かないなんてもったいないな、ということ。
それに、実は移動も楽しい。たとえば東京-沖縄間の大きな飛行機にしか乗ったことがない人からすると、乗客40名程度のプロペラ機なんてちょっとドキドキものだし、フェリーも子どもたちは大喜びだったりする。離島旅がこんなに身近にあるなんて実は沖縄に暮らす人にとって大きな特権じゃないかと思っている。そしていま、前述したように離島は観光地としても注目されていて、開発の波が押し寄せている。うつくしい風景があり、素朴な人々が暮らすだけの、ただただ何もない、それが良さだった離島の風景が変わろうとしている。それが良いことか悪いことかというのは、ここでは論じないけれど、変化の時を迎えていることは確か。そういう意味も含めて、これからもう少し、離島の旅の機会を増やしたいな、と思っている。
沖縄の魅力的な離島。オススメを紹介
さてさて、そんなわけで僕がこれまで旅した中から、いくつかオススメの離島を紹介したいと思います。「離島」というとまず思い浮かぶのは石垣島や宮古島でしょう。石垣島は「八重山諸島」といって竹富島、小浜島、西表島や、有人島では日本最南端の波照間島、日本最西端の与那国島の合計10の有人島のこと。石垣島に「離島ターミナル」があるので、個性ある島々をフェリーや高速船で行き来して「アイランドホッピング」(離島間を行き来して旅すること)ができるのが楽しい。実は石垣島は過疎が進む離島の中では数少ない、人口の増えている島だったりもします。宮古島は2015年に開通し、無料の橋としては日本最長(全長3,540m)の伊良部大橋が話題に。個人的にはこちらも橋でつながっている来間島が好み。素朴な風景の中に、素敵なカフェが点在していて、のんびり過ごすのにもってこいです。
それと今年になって初めて行ったのが「渡嘉敷島」。なんと那覇の泊港から高速船なら35分でいくことができて、2014年に慶良間諸島国立公園に指定された海の美しさは目を見張るものがあります。実は来春発売を目指して離島のガイドブックを執筆中。ぜひ楽しみにしていただきたいです。そして、沖縄にきたら離島にもぜひ足を伸ばしてみてください。
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