暮らし術

こんにちは。沖縄在住の編集者でセソコマサユキと申します。僕が「なぜ」移住をし、「どうやって」沖縄で暮らしているか、そんなことを紹介する当コラム。移住先になぜ沖縄を選んだのか、第一回でも触れていますが今回は改めて、話をしたいと思います。

 

雨の降らない梅雨の沖縄

瀬底大橋で本島とつながる「瀬底島」

瀬底大橋で本島とつながる「瀬底島」

天気予報で「沖縄は梅雨入りした模様」と聞いてから2週間ほど、夏のような天気が続いた沖縄。GWが明けたころに梅雨入りし、なぜか毎年この頃はロケの仕事も多くて天候に悩まされるのが常だったのに、今年はロケの仕事があまりなく、何と無く晴天を持て余してしまった感があります。だから仕事の間にビーチに立ち寄ったりなんかして、少しでも晴天の海を味わおうとしたりして。
僕が沖縄に移住してきたのは、梅雨明けのころでした。夏の始まりの暑さに面食らいながら、あたらしい住まい探しに奔走した日々を思い出します。首里にある親戚の家に1週間ほど居候させてもらい、不動産屋を巡っては、空き部屋を見に行ってました。

 

移住の決め手は「ルーツ」であること

瀬底島にはまだ素朴な風景が残る

瀬底島にはまだ素朴な風景が残る

沖縄へ移住した、という話になると、ほかのどこでもなく「沖縄」を選んだのはなぜ? と聞かれます。なぜだろう。文化や気候が気に入っていたから? 海が綺麗だから? おおらかな島の人たち、沖縄の食材が気に入ったから? もちろん色々な要素はあるんだけど、僕が「決め手」を一つ挙げるとしたら、それは沖縄が僕の「ルーツ」だからです。
移住するまでには日本の中でいくつかの街を旅してまわりました。関西方面だったり、香川や愛媛、高知など四国も多かった気がします。実際に旅をしてみると、美味しい食があったり、自然がすばらしかったり、どこだってそれぞれに魅力を持っています。「移住先」というのはひとつに絞らなければいけないわけで、どこの街も素敵だったな、なんて思っていると、どこにも決められなくなってしまいます。「なんとなく気に入ったから」というだけでなく、自分の中でその場所を選んだ確固とした理由が欲しくて「ルーツ」である沖縄を選んだのでした。

瀬底大橋を渡ってすぐの場所にある「アンチ浜」

瀬底大橋を渡ってすぐの場所にある「アンチ浜」

 

「セソコ」という名前

島内の人気スポットのひとつ「瀬底ビーチ」

島内の人気スポットのひとつ「瀬底ビーチ」

セソコは漢字で「瀬底」と書きます。沖縄好きの方はご存知かもしれませんが、本島北部の本部町に橋でつながった離島「瀬底島」があります。
父が家系図を調べたところによると、元々は本島南部の南城市佐敷という地域に暮らしていた一族で、お城勤の役人で税金を徴収する仕事をしていたそうです。その担当エリアが瀬底島だったことから、「瀬底」という姓が与えられたのが始まりだとか。だから「瀬底」の一族は佐敷に暮らしていて、瀬底島には「瀬底」という人は暮らしていないのだそう。では、そもそも瀬底島の「瀬底」とはどんな由来があるのでしょう。本部町が島の歴史をまとめた「瀬底誌」によると、諸説あって定説はないのですが、「アマミクの来訪神(スク・底)が渡来した精(シー・瀬)のある聖なる地」という意味が、なんとなくロマンがあるので個人的には気に入っています。
そのような意味で、元々は島外の人から「セスク」「シーク」などと呼ばれていて、瀬底という漢字を当てて「セソコ」と音も変化してきたようです。

中国の土地神を祀ったものの中で、県内では最大規模の「瀬底土帝君」

中国の土地神を祀ったものの中で、県内では最大規模の「瀬底土帝君」

 

瀬底島のおすすめ

集落内にある「りんごカフェ」の美しい洋菓子

集落内にある「りんごカフェ」の美しい洋菓子

そんなわけで、実際はそんなに縁のない瀬底島。周囲8kmほどで、人口は1000人に満たない小さな島ですが、1985年に「瀬底大橋」で本島と繋がってアクセスが向上し、今では日帰りできる離島として人気の観光スポットになっています。瀬底ビーチを筆頭に海は美しく、最近では島内にカフェも増えています。おすすめなのは集落の中に佇む古民家のカフェ「りんごカフェ」。フランス人のオーナーパティシエが作るマカロンや洋菓子が絶品です。北部ドライブの際にはぜひ立ち寄ってほしいスポットです。

 
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※本記事は、セソコマサユキ氏の知識と経験にもとづくもので、わかりやすく丁寧なご説明を心がけておりますが、内容について東急リゾートが保証するものではございません。
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