暮らし術

海外に別荘を持つことをお考えの方は、ぜひグローバルのトレンドをおさえてください!

こんにちは。岡村 聡と申します。私は東京とシンガポールで富裕層向けに投資アドバイスや海外移住を手掛ける会社を経営しています。お客さまの多くは世界中に自分の資産を展開し、自分のライフステージに応じて各地に不動産を所有しているので、別荘について必然的にグローバルな情報が色々と入ってきます。また、私自身も家族で毎年20カ国40-50都市を旅行しているので、自分たちの目でも世界各地のリゾート地を見聞きしています。本連載では、こうして培った知見をもとに、グローバルの別荘ライフについて紹介していきます。まずはざっと、各地の事情とリゾート生活トレンドを概観していきましょう。

日本人に人気の海外別荘地 ~安定のハワイ、東南アジアのビーチリゾート

日本人に人気の海外別荘地といえば何といってもハワイです。少し古いデータですが、2008-13年のハワイオアフ島の不動産を購入した米国人以外の内、実に64%が日本人だったという統計がハワイの州政府から発表されています。そしてカナダ人の12%、香港・韓国の4%、オーストラリアの3%と続きます。今や世界中のリゾート地の高級不動産の買い手となっている中国本土の富裕層ですが、この時点ではオアフ島において影も形もありませんし、現時点でも日本人がハワイの不動産については圧倒的な存在感が大きいことは間違いありません。

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ハワイ島に次いで海外で人気となってきているのが、プーケット島やバリ島といった東南アジアのリゾートです。私はここ数年、平均して年の3分の2をシンガポールで過ごしており、家族もシンガポールベースなのでこれらのリゾートは2-3時間で移動できることもありよく訪れます。別荘のトレンドもハワイとは異なり、高層のコンドミニアムが中心であるオアフ島と異なって、ゆったりとした敷地を有したヴィラ(一軒家)タイプが別荘としては人気です。

アジアのリゾートの多くは欧米のリゾートと比べて敷地に余裕があることが多く、5つ星クラスの人気リゾートはホテルの各部屋も独立したヴィラタイプであることが一般的です。別荘としても管理が容易で、所有者が使用しないときはホテルの部屋として貸し出すことが可能な、こうした高級リゾートの敷地内にある物件が人気となってきています。

別荘の利用形態もハワイと東南アジアのリゾートでは異なります。オアフ島では大きなショッピングモールなど街中に出掛けて食事をしたりショッピングを楽しんだりすることが一般的である一方、東南アジアでは上記の高級ホテルに位置する別荘の場合、滞在時間のほとんどを敷地内で過ごす人が多くなっています。そのため、東南アジアで別荘などレジデンスを販売している高級ホテルには、敷地内に各種の料理が楽しめるレストランやスパサービスなどが非常に充実しています。

私のお客さまなど周辺では3世代やグループ旅行など仲間内でワイワイ楽しむことが好きな人はハワイを選び、家族やカップルだけでプライバシーを保ちながら余暇を楽しみたい人は東南アジアのビーチリゾートを選ぶという傾向があります。

 

グローバルの別荘トレンド ~自分の趣味が世界最高水準で楽しめるかどうか。ニセコや軽井沢もターゲットに。

一方、グローバルの富裕層の別荘選びは、より多様になっています。もちろん、米国の富裕層であればマイアミを中心としたフロリダや、欧州であればコートダジュールなど定番の別荘地は引き続き根強い人気を誇っていますが、最近ではどんな僻地やこれまで馴染みがない場所であっても個人のテイストに合うのであれば別荘を取得する動きが広がっています。

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ここでカギとなってくるのが、自分の趣味について世界最高レベルの水準を享受できるかです。ビーチでのスポーツやクルージングが好きであれば最良のマリンライフが楽しめる場所を徹底的に探します。昨夏に家族でカリブ海クルージングに参加しましたが、マイアミから船で3日ほどかかり、日本ではタックスヘイブン(租税回避地)というイメージしかないBVI(ブリティッシュ・バージン・アイランド)などカリブ海の僻地であっても、富豪の巨大な別荘が立ち並んでいて驚きました。

世界の富豪の豪邸別荘が立ち並ぶBVI

世界の富豪の豪邸別荘が立ち並ぶBVI

美しい海とビーチ、さらには近隣の島々を巡る魅力的なクルージングが楽しめるのであれば、空港がなく欧米の主要都市からのアクセスが大変な離島であっても自分の趣味を追求するために別荘を作る富裕層は珍しくないということです。マリーナ(波止場)がなければ自分の別荘の近くに専用の施設を作っている富豪までいました。さらに趣味への投資が高じると、ヴァージングループの創業者リチャード・ブランソンのように一つの島を丸ごと所有して、自分好みのリゾートに作り上げる人まで登場しています。

最近、日本人富裕層の移住先としての関心が高まっているニュージーランドも、これまで欧米の主要都市から直行便がなく、20時間以上かかる僻地であるため注目されていませんでしたが、世界でも屈指のレベルのゴルフコースが揃っていて、高品質のシーフードや肉などの食品やワインまで楽しめるということで別荘地として注目されてきています。

NZオークランドから近いワイヘキ島の豪邸とヨット

NZオークランドから近いワイヘキ島の豪邸とヨット

私もお客さまの移住のサポートでニュージーランドを近年頻繁に訪れていますが、ワイナリーとマリーナまで備えた広大な敷地の別荘が立ち並んでいて、オイスターなどシーフードもおいしくワインのレベルも高くなってきているので、そのクオリティー・オブ・ライフの高さに魅了されています。

一時世界最大のヘッジファンドであったタイガーマネジメントの創業者であるジュリアン・ロバートソンは、ゴルフとワインへの情熱が高まって、ケープキッドナッパーズとカウリクリフという世界的なリゾートを二つも、ニュージーランドに自分で作り上げて第三者にも利用できるようにしています。ゴルフやワインが好きな方は世界最高レベルのリゾートはどのような水準に達しているのか経験できますし、一度は訪問することをオススメします。

ワイヘキ島最大級の邸宅から見たマリーナ

ワイヘキ島最大級の邸宅から見たマリーナ

ハワイでも日本人の間ではオアフ島が圧倒的に人気ですが、ゴルフ好きな富裕層が多い米国人の間ではより上質なゴルフライフが楽しめるハワイ島やマウイ島にヴィラタイプの別荘を所有することが最高のステータスです。そして、こうしたトレンドは日本でも無関係ではありません。

スキーリゾートについては米国ではアスペン、欧州ではスイスのサンモリッツやフランスのクールシュヴェルなど定番の別荘リゾートがありましたが、アジアやオセアニアには同様の場所がありませんでした。そこに10年ほど前からニセコを中心とした北海道のスキーリゾートのレベルの高さが広くアジアで知れわたるようになって、1軒数億円というこれまでになかった価格帯の別荘まで続々と開発されています。これらの別荘の人気はシンガポールでも非常に高く、知り合いのシンガポール人もこうした高級別荘をニセコに所有しています。

また、軽井沢も豊かな自然資源に清涼な気候、レベルの高いレストランやショップがたくさんあることが外国人の間でも知られるようになって、さらには東京から新幹線で1時間というアクセスの良さもあり、外国人がオーナーの別荘が続々と開発されています。一つの山を丸ごと使った中国人の大富豪による総工費100億円以上の超巨大別荘まで建設されています。

海外の富裕層が別荘でどのような生活を送っているのかについては、次回以降のコラムでより詳細に紹介します。

 

グローバルのトレンドを見据える

このように日本を含めたリゾート地に富裕層が別荘を所有する動きはグローバルで拡大しています。読者の皆さんも自分が別荘を所有するときには、世界中の色々なリゾートを巡ってどの地であれば自分が理想とする別荘ライフを実現できそうなのか吟味してみてください。

自分が好きなことを最高レベルで楽しめる場所を世界中から選び抜く欧米人富裕層の手法は、今後日本人を含むアジア人の間でもより一般的になっていくでしょう。

こうしたグローバルのトレンドに根差して妥協なく立地を選ぶことで、長く所有しても資産価値が逆に上がっていく場所が見つかるはずです。そして、場所が決まったらその地が評価されている基準に鑑みて、どのような立地がより人気となっていくのかリアルにイメージすることをオススメします。

実は海外富裕層の間で最近ハワイの離島ではなくオアフ島に別荘を持つことの魅力が再発見されています。それはプライベートジェットを所有していれば別ですが、商業便が少なくアクセスが困難な離島よりオアフ島のアクセスの良さが見直されているからです。

最近、ハワイに別荘を所有するセグメントで最も伸びているのは、シリコンバレーなど米国西海岸のテック起業家と中国人富裕層です。そしてどちらのセグメントも、アクセスの良さに加えてよりタイトなスケジュールでも別荘ライフを楽しめるように、徒歩で移動できるコンパクトなコミュニティーが好まれるようになっています。

オアフ島でもこれまでの中心でありながら車移動が不可欠なワイキキエリアから、別荘地としてワードビレッジなどより空港に近く、エリア内で生活が完結する統合開発に人気がシフトしてきています。上記のようにオアフ島の別荘の買い手としては日本人が最大勢力ですが、日本人には依然人気であるワイキキ地区のコンドミニアムよりも、最近開発が活発なワードビレッジやアラモアナショッピングセンター近くの物件の方がここ数年の値動きも堅調です。

せっかく、別荘を所有するのであれば長く資産価値が損なわない物件を選ぶべきでしょう。日本人だけではなく広くグローバルの別荘ライフを意識して物件を選ぶようにしてください。

次回は、別荘ライフのクオリティーを大きく左右するレストランシーンについて、グローバルのトレンドを紹介します。

 

※本記事は、岡村 聡氏の知識と経験にもとづくもので、わかりやすく丁寧なご説明を心がけておりますが、内容について東急リゾートが保証するものではございません。
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