セカンドハウスでの生活を満喫している方にお話を伺う「Villaの達人」シリーズ。今回は、「東急リゾートタウン蓼科(長野県茅野市)」にある別荘で、週末のリゾートライフを楽しまれている加藤さんご夫妻をお訪ねしました。
高地で薪ストーブのある生活などを楽しまれる一方で、自然のサイクルに合わせてゆったりと一日を過ごされるお二人の別荘ライフは、都会では味わえない刺激とくつろぎの両方を堪能できる、とても羨むべきものに映りました。
そんなお二人の別荘ライフと物件購入までの経緯などを、前編、後編の2回にわたってお届けします。
標高1500メートルに建つ山荘、雪景色に一目惚れ
──初めに、この物件を選ばれた理由について伺おうと思っていたのですが、このお部屋からの景色を眺めると、お尋ねするまでもない、というか……。
加藤洋一さん(ご主人):一目でわかるでしょう?(笑)
加藤夕紀子さん(奥様):この眺望で決めたと(笑)
──素晴らしい眺望ですね。標高1500メートルとのことですが。
洋一さん:冬になって、木の葉が落ちると、上からも下からも、さらに遠くまで景色が見渡せるんです。
夕紀子さん:ここに見学に来て、購入を決めたのも、冬なんですよ。
──高原の別荘というと、夏のイメージが強いですが。
夕紀子さん:この山荘に雪が積もった景色をみて、すごくかわいいなと。また、木々は葉が落ちてしまっていたのですが、3月になると芽吹きの季節になりますから、風景がまた劇的に変わります。冬に買って良かったと思いますよ。
──昨年の12月に買われたということですが、すぐに入居されたのですか?
洋一さん:リフォーム物件として購入し、そこにさらに少し手を加えました。和室を洋室に変えたり、お風呂を檜風呂にしたり。
夕紀子さん:リフォーム工事に3〜4ヶ月かかり、入居したのが5月くらいです。
星が見えたら、寝る。自然のリズムに合った生活
──どれくらいの頻度で来られているんですか?
夕紀子さん:訪れるのは、月に2〜3回ほど。土曜日の朝に名古屋のマンションを出て、ここで2泊して、月曜日の朝に帰ります。
洋一さん:月曜日は朝5時には起きていますので、名古屋にも8時半頃には着いています。
──朝5時とは、ずいぶん早起きされるんですね。
洋一さん:ここで過ごすと、自然のリズムに生活が合っていくというか。自然とそうなるんです。一日が非常にゆっくりと流れていき、その流れの中で食事をしたり、お酒を飲んだりし、眠くなったら寝るという。
夕紀子さん:麓においしいお肉屋さんがあるんですが、そこでお肉を買ってきて、このテラスにバーベキューグリルを出して焼きます。そのうちに日が沈んできて、ああ、きれいだねーなどと言っているうちに星が見えてきて、寝ると(笑)。
山荘でレコードを聴く楽しみ
──ゆったりと時間が流れていくんですね。ここでは、特に何もされないんですか?
洋一さん:名古屋ではマンションに住んでいるんですが、ここではマンションでできないことをいろいろ楽しみたいと思っています。昔からやりたかったことのひとつに、音楽を自由に聴く、というのがあるのですが、ここではそれを楽しんでいます。長い間お蔵入りしていたアナログのレコードと機材を引っぱり出してきて、2階に置いています。ここの間取りは、音楽を楽しむ上でとても使いやすいんですよ。
夕紀子さん:音楽、やっと許したんです。マンションではだめだけど、ここでならいいよと(笑)。
──(笑)。どんな音楽を聞かれるんですか?
洋一さん:昔はガチガチのロック派でしたが、今はジャズでも何でも聴きますね。この物件を決めてから、けっこうレコード屋に行くようになりました。東京のお茶の水などにも、時々行きますね。やはり、都会で聴く音と、こういう森の中で聴く音とは違います。何かこう、マイルドに聴こえるというか。
夕紀子さん:そうですね。音が全然違って聴こえます。
薪ストーブのやさしい温かさ
──なるほど。他に、マンションでできなかったことで、ここで楽しまれていることはありますか?
洋一さん:薪ストーブを入れました。やはり、ここを最初にみたときの冬のイメージがあったため、ぜひとも入れたいなと思いました。5月くらいまではフル稼働で使っていましたよ。
夕紀子さん:ここは床暖房が入っているので、そこに薪ストーブが加わると、すごくやさしい温かさになるんです。
──玄関に積まれていた薪は、ストーブで使われるものだったんですね。
洋一さん:実は、いずれは薪も自分で割りたいなと思っているんです。木材自体は手に入るんですが、ここまで運ぶ段取りがまだできていなくて。そこがクリアできたら、いずれは薪割りも自分でやるつもりです。
この別荘を購入してから、今まで絶対に知ることのなかったものについて学ぶ機会が増えたように思います。薪ストーブに関して言えば、何でも燃やしていいわけではなく、けっこう厳格なルールがあるんだなということを知りました。
“潜在的なもの”が目覚める場所
──別荘購入を機に、これまで興味を持つことのなかったものにも興味を持つようになったということですか?
洋一さん:そうですね。これまで薪割りをしたい、なんて思うことは絶対にありませんでしたから。草刈りもするようになりました。自然にやりたくなってしまうんですよね。
夕紀子さん:人って、変わるみたいですね。もともと持っていたもの、潜在的にあったものが、こういう場所に来ると出てくる、ということなんでしょうか。ここにやってくるゲストにも、そういう傾向があるんです。都会で会っているときとは、何か違うなというのを感じます。
──山林の中でのゆったりした生活が、人を変えるということなんでしょうか。
洋一さん:そうですね。ここにいると、植物のパワーをひしひしと感じます。冬枯れしている樹木が、春になるとフワーーッと芽吹くんです。そういうサイクルをすごく身近に感じるようになりますね。
夕紀子さん:四季の移り変わりや、温度の変化に敏感になりますよ。毎日温度計をみるのが楽しいくらいです。8月なのに18度だ! なんて言い合って喜んでいます(笑)。
「標高1500メートルのセカンドハウス!蓼科で楽しむ週末ライフ~後編」に続く。
撮影:内田 龍