セカンドハウスでの生活を満喫している方にお話を伺う「Villaの達人」シリーズ。前回に引き続き、「東急リゾートタウン蓼科(長野県茅野市)」の別荘で週末のリゾートライフを楽しまれている加藤さんご夫妻のインタビューをお届けします。
海から山へ、別荘探しで訪れたターニングポイント
──ところで、そもそも、こちらの物件はどんな経緯で購入されたんですか?
加藤洋一さん:実は、僕らはもともと、海に近いところで別荘を探していたんです。別荘が欲しいという話は、結婚当初からしていました。名古屋のマンション暮らしで、仕事の関係で海外に出たりもしていたのですが、やはり、都会の生活はどうしても必要です。ですが、都会にいながら大きな家を買うというのは、あまり現実的ではありません。また、たとえ買ったとしても、それほどの自由度は望めないでしょう。
加藤夕紀子さん:それで、海で別荘を探していました。山には、家族ぐるみでお付き合いしているペンションがあって頻繁に訪れていたこともあり、これで海に別荘があったら完璧だね、なんて話していたんです。今から10年くらい前には、海の近くに土地まで買いました。伊勢志摩、鳥羽のあたりです。
──かなり真剣に、海での別荘建築を検討されていたんですね。
洋一さん:そうなんです。でも、土地だけで計画倒れになってしまいました……。ゼロから建てるというのは、完成形のイメージを描くことが想像以上に難しいことがわかりました。ここは築26年の中古物件なんですが、こうした実物が建っていると、これをどうしようかというアイディアがわいてくるんです。何もないところから建てるというのは、自由度が高すぎて、逆に難しい……。予算のことも含めて考えると、なおさらです。
夕紀子さん:私たちみたいなアマチュアがゼロから作るのは、なかなか難しいんですが、あるものの中でここをこう変える、といった話になると、わりと一直線に進むものなんですね。
──海から山へと気持ちが変化したのは、いつぐらいですか?
洋一さん:わりと最近で、この1年くらいです。その知り合いがやっている山のペンションが閉鎖するかもしれないという話が出てきて、山でのリゾートライフがなくなってしまいそうだと慌てたんです……。同時に、自分たちも歳を重ねていく中で、海って必ずしも快適ではないのかもしれないなと考えるようになりました。夏は暑いし、冬は冬で何をしたらいいんだろうと……。
夕紀子さん:ちょうどそんなときに、山の別荘を何軒か見学する機会があったんです。その際に、知り合いに頼まれて、偶然、東急リゾートさんのこちらの物件を訪れるチャンスも巡ってきて……。
──それが冬だったんですね?
夕紀子さん:そうなんです。まとまった雪が降り始めた日で、その降り始めの雪とこの別荘の景色があまりにもかわいくて、「見つけた!」という感じでした。
洋一さん:事実上、即決でした。帰りの車の中から電話で申し込みをしたんです(笑)。ここなら、いろいろ手を入れることができるなと思いました。
ドイツで知った、中古物件の魅力と生かし方
──物件そのものの魅力のほかに、決断を後押しした要因などはありましたか?
洋一さん:こちらが借地に建てられていて、予算よりもリーズナブルな値段で買えたという点と、管理体制が素晴らしかったという点ですね。
土地付きで新築だと、倍くらいの値段から考えなければいけなくなります。ですが、僕らは別に土地が欲しいわけではないので。また、仕事の関係で7年間ドイツに駐在した経験から、中古でも状態のよい物件に手を入れて快適に住むという彼らのスタイルに共鳴するようになっていました。
夕紀子さん:ドイツでは、築75年の家などで快適に暮らしていたんです。それに比べたら、築26年が古いとはまったく思いません。逆に、26年の間、問題なく建っていた家ということで、安心感を覚えるほどです。
──ドイツ人は、いろいろなものを直して長く使う、と聞いたことがありますが、そうした姿勢に影響を受けたということですか?
洋一さん:そうですね。彼らは、服装はシンプルですが、その分、生活に必要な車や、バカンスなどにお金をかけており、とても合理的なんです。
自分たちにとってこだわるべきところとシンプルでいいところを認識した上で、うまくバランスをとったお金の使い方をしており、僕らもそうした点に影響を受けました。
──なるほど。では、もう一つの決定要因となった、管理体制の素晴らしさについて教えてください。
洋一さん:中古の家を買ったときに、僕らはプロじゃないので、どういう形で何が起こるかわかりません。それに対して、こちらは東急リゾートさんのほうで全部チェックしていただける上、保証もつけてもらえるという物件だったので、安心して購入できました。実際、ここに住んでから1ヶ月後に、雪で屋根が落ちるというハプニングがありましたが、もちろん保証の範囲ですと言われて直していただけました。
別荘って、いつもそこに住んでいるわけではないので、住んでいればわかるトラブルも、重大なことになるまでは気付かない、ということがあるのではないでしょうか。やはり、ディベロッパーや管理会社が長くみていらっしゃるというのが、すごく信用できます。
夕紀子さん:それから、タウンセンターに電話すれば、掃除なども含め、あらゆることに対応してくれるというサポート体制も、とてもありがたいです。私たちは共働きのため、自分たちですべてを行うのが大変だなと感じることがけっこうあるもので。それに、何かあったときには電話一本で対応していただけるので、緊急時にも頼れます。
家事負担の軽減で、別荘ライフを円満に
──山奥にいても安心ということですね。ところで、ここまで別荘生活の魅力についてお話しいただきましたが、何か、問題やトラブルなどはなかったんでしょうか。
洋一さん:トラブルというものではないんですが、多くの夫婦が直面しそうな課題として、奥さんの負担をいかに軽減するか、というものがあるかもしれません。
夕紀子さん:そこは、すごく重要です。
──一般的に、奥さんが家事を負担されているようなご夫婦の場合、別荘を利用する際に奥さんの家事負担がさらに増すため、何らかの対策が必要ということですか?
洋一さん:そうなんです。家でも家事をして、別荘でも家事をするとなると、女性の負担は相当のものです。だから、別荘を買うという話になると、嫌がる女性は少なくない……。
夕紀子さん:私も最初、そういうところが気にかかったもので、夫と二人でよく話し合いました。それで、食洗機※を置くなどの条件をいくつか付けさせてもらったんです。
──旦那さんと奥さんとでは、別荘に対する考え方が違ったりするんでしょうか。
夕紀子さん:そういう傾向はあると思います。夫もそうなんですが、男性は一般に、別荘で「何か」をやりたいんですよね。ところが、私を含め女性は、何かをしなければいけない、ということになると気が進まない……。基本的に、後片付けを含め、女性の負担が増えるケースが多いですし……。私は、この景観があれば十分なんです。何もしない贅沢を味わいたいんです(笑)。
──旦那さんと奥さんとでは、別荘への気の持ち方や利用の仕方が違う、ということなんですね。それで、今はそのあたりのところは理解し合えているのでしょうか。
夕紀子さん:今はそうですね。私がお料理をつくるから、後片付けはよろしくねといった感じで、分担してもらっています。夫は、すごく協力してくれますよ。
洋一さん:ここにいるときは時間があるから、そういうふうに変わってきているのでしょう。もし、街中で週末を過ごすとなると、ショッピングや映画に行ったり、友人と会ったりと、いろんなことができてしまうので、なかなかそうはいかないのかもしれませんが。
夕紀子さん:でも、ここは何もない。だから、朝早くから草刈りをしてくれるんです(笑)。
手始めに買ってみる、という提案
──なるほど。何かしなければ、というのをあきらめられる環境だから、余裕が生まれるということですね。では、最後に、別荘の購入を検討されている方たちにアドバイスをいただけないでしょうか。
洋一さん:僕らの父親たちの世代などと比べたら、今は別荘やセカンドハウスを手に入れる際の敷居が、確実に低くなっていると思います。値段もリーズナブルなものがありますし、ここみたいに、リセールが可能な物件を選ぶこともできます。高級車を2台買ったり、乗り換えていったりするのもいいのかもしれませんが、それと同じような感覚で、ちょっとがんばって手を出してみてもいいのではないでしょうか。手始めに買ってみる、というのもありなのでは。少なくとも、僕らはここに住んでみて、思っていた以上に楽しいですし、思っていた以上にここを訪れています。
夕紀子さん:別荘だからといって、お互いにやりたいことを別々にやろうとするのではなく、したいことを話し合って、一緒に楽しむというスタンスが大切だと思います。相手のやりたいことに対して、十分理解できていると、自分もいいなと思えますから。木屑が床に散らばっていても、薪ストーブの良さを自分もわかっていれば、寛容な気持ちになれます(笑)。
※食洗機については、 管理会社による水抜きサービスの対象外となっております。 実際にご検討の際には、事前に担当者へお問合わせをお願いいたします。
「【オーナーインタビュー】標高1500メートルのセカンドハウス! 蓼科で楽しむ週末ライフ~前編」はこちら。
撮影:内田 龍