お役立ち情報

こんにちは。アトリエ137の鈴木です。今回ご紹介するのは天井高を活かした開放感のある空間をつくることができる、吹抜けのある別荘です。
上下の空間を仕切らずつなぐことで、開放感にプラスしてダイナミックさを演出してくれます。また大きなガラス面とセットで考えると、より効果も高まります。

 

吹抜けのよいところ、気にすべき点

吹抜けは単なる天井の高い空間をつくるだけではなく、上下を開放的につないで、空間により広がりをもたせることができるのがポイントです。また、二層に渡って大きなガラス面にすることで、外の景色を最大限取り込んでくれる効果があります。
注意点としては、冷暖房の効率は悪くなりますので、寒冷地や温暖地では寒さや暑さへの対策が必要になってきます。
また傾斜地の場合、万が一のときに余分に足場を組まないと届かないため、メンテナンスが大変です。このあたりをよく考えてご検討ください。
 

リビングが開放的な吹抜けの例

吹抜けをつくるなら、リビングが一番効果的な気がしています。家族団らんの場となるリビングは、吹抜けを通して2階とつながるにはとてもよい空間です。キッチンやダイニングと違い、食べ物のにおいも気にしなくてよいですし、吹抜けに面して、お子さんの部屋や勉強スペースがあると、お子さんの様子も何となくわかりますし、ひと声かけておしゃべりすることだってできるでしょう。
また食事を終えたあと、家族がそれぞれ思い思いの時間を過ごすとき、吹抜けという空間を通して、ちょっとした距離感がいいコミュニケーションを生んでくれることもあるはずです。
 

事例:長野県軽井沢Tさんの家

「景色がごちそう!」とは、Tさんの名言です。
原生林が残る敷地で、この緑の美しい景色を目いっぱい取り込みたいという計画は必然でした。Tさんの家は大きな吹抜けをもつリビングを中心に空間が展開されています。階段もリビングのなかにレイアウトし、オブジェのようにくねくねとデザインさせています。2層にわたるガラス面は大きな樹々の緑で室内を充満させてくれます。夏は緑の葉がブラインドとなり日射をふさぎ、秋から冬にかけては落葉して、太陽の光を室内の奥深くまで取り込んでくれます。

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階段のデザインが映える吹抜けの例

吹抜けの魅力は何と言っても高い天井がもたらす空間のダイナミズムです。このダイナミズムは上下をつなぐ(移動する)視覚的な効果によって、より強いものとなります。その象徴となる階段のデザインはとても大切です。

 

事例:長野県軽井沢Iさんの家

家全体がほぼワンルームに近い空間で構成されるIさんの家。
LDKの吹抜けがワンルーム的効果に重要な役割を果たしています。室内にレイアウトしたらせん階段は、柱や梁という直線的な表現になりがちな建築空間に視覚的な変化ももたらしくれます。

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事例:山梨県甲府市Iさんの家

甲府市Iさんの家の吹抜けはまた違ったものです。壁からニョキっと出っ張る階段が上下階をつなぎ、それに寄り添うように吹抜けがあります。下の写真は子世帯のLDK。その上は親世帯の通路部分になっていて、薪ストーブの暖気をつたえるとともに、それぞれの様子を感じてもらえるような効果を狙ったものです。上からも下からも覗いただけでは見えませんが、お互いに寄り添えば顔を見ながら話すこともできる、そういう場所になっています。

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勾配天井を活かした吹抜けの例

フラットな天井もよいですが、屋根なりに勾配のついた天井も変化があってよいものです。窓に向かって天井が下がっていくと、外の景色も自然と目線の高さにフォーカスされます。

 

事例紹介:長野県軽井沢Tさんの家

吹抜けと言っても、Tさんの家は屋根裏部屋のようなこもった感じをもっていて、下から光が廻ってくる感覚がなんとも新鮮な印象を与えてくれます。2階から1階へと天井を下ろしていくことで、空間的かつ視覚的に変化をもたらしてくれます。

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◆ ◆ ◆

初めに書いた通り、吹抜けは空調効率が劣ります。使用頻度やライフスタイル、場所性というものが非常に重要なものになってきます。
そうは言っても、効率ばかりの合理主義一辺倒では、せっかくの別荘LIFEも楽しいものになりません。デメリットとなる特徴に目を向けながら、吹抜けの魅力を最大限に生かすことが建築家の腕の見せどころなのかもしれません。
天井も高く開放的な空間が広がる吹抜けはとても魅力的です。上から室内を見下ろしたり、下から見上げたりできる空間は、なんだか楽しくなってきます。
みんなでワイワイつながる空間-吹抜けのある別荘なんて、いかがでしょうか?

 
写真提供:アトリエ137 一級建築士事務所

※本記事は、鈴木宏幸氏の知識と経験にもとづくもので、わかりやすく丁寧なご説明を心がけておりますが、内容について東急リゾートが保証するものではございません。
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