地元の人が「観光」というのもおかしな話ですが。”日々の生活の中でも楽しみたい観光スポット”、ということで、編集部が熱海を訪問。地元のかたにお伺いしてきました。
サンビーチ、伊豆山神社etc. 海も山も至近
有名な来宮神社とならび、伊豆山神社は、熱海有数のパワースポット。……パワースポット、というのが今風過ぎるなら、単に心が落ち着く場所、としましょうか。境内からは初島が望め、さらに本殿の奥は本宮社、そして山の頂上の「伊豆山子恋の森公園」へとつながる、軽いハイキングコースがあります。
心を落ち着けて、そして森林浴をしながら無心になって歩く……。これは街の中ではできないことですよね。このほかにも、熱海駅からバスで行ける十国峠には、富士山が望めるトレッキングコースが。温泉編でも紹介した、湯河原「独歩の湯」は、周囲が森の中の遊歩道になっています。また、幕山公園には、山麓斜面一面に梅が咲き乱れる「湯河原梅林」も。海のイメージが強い熱海・湯河原ですが、山も、なかなか。
その海は、もちろん地元の人も訪れます。なんと言っても、熱海サンビーチとテラス、マリーナ。ランニングコースにしたり、単にお昼寝の場所にしたり……。
このサンビーチでは、一年を通じて花火大会が行われます。さらに熱海港の突端、「熱海港海釣り施設」は、手軽に魚釣りが楽しめる場所。アジやサバ、シロギスなどの身近な魚はもちろん、時にはシイラやカンパチ、ソウダガツオなどの大型の魚もあがる、とのこと。
釣りやダイビングをより本格的に、ということであれば、初島もあります。熱海港から、わずか25分。
熱海 路地裏散歩は穴。街なかはバラエティいろいろ
本連載記事の冒頭では、「熱海が変わってきた」との声が聞こえてきたと書きました。そんな声の通り、ごくごく今風のお店、施設を見ることができます。例えばこんなお店。
いわゆるイマドキ、なカフェ(グルメ編)。とは言えもちろん、レトロなお店、町並みもまだまだ負けていません。旅館や土産物屋が立ち並ぶ場所を少し離れると、「生活」や「夜」の情緒が薫る場所が現れるのも、熱海の良いところです。
こちらは「ジャズ喫茶ゆしま」。市役所のそばにひっそりとたたずみます。行子ママは、なんと御年90歳。戦後間もないころからずっと、この街の移り変わりを眺めてきたとのこと。ママの話に昔を思い出すも良し、クラシックなオーディオで古いジャズに浸るのも良し。一杯一杯落としてくれるコーヒーと一緒に。
路地裏散歩の途中、純粋に美味しいコーヒーを楽しみたいなら、清水町の「コーヒーハウス茶々」がおすすめ。マスターの斧 喜秋(おの よしあき)さんは、熱海で30年、喫茶店を営んでいるとのこと。熱海では数少ない、自家焙煎。地元のこだわり屋さんが、今日も豆を買いに来ます。
自家焙煎にこだわるのは、「熱海に来た人に、がっかりしてもらいたくない」との一心。「東京から舌の肥えたお客さんがやってきて、”ああ、熱海はこんなもんか” というのは悔しいので」と笑います。
その他、地元民的魅力をまとめて
海岸通りの135号線から少し入ったところには、「海光町の石畳地区があります。元々は大企業や名士の別荘街だったエリアで、石畳と共に明治、大正、昭和の名建築を垣間見ることができます。「海光町」という名が、なにやら良いムードを漂わせますね。
また、不定期ながら、銀座通り商店街では「クラフト&ファーマーズマーケット 海辺のあたみマルシェ」が開かれます。熱海近辺で創作活動を行っている作家さんの作品や、地元の農家さんが育てた食材を販売するイベントです。
各種お祭りも、もちろん地元の人の楽しみ。7月の「こがし祭り」は、各町内から出場する山車のコンクール。地元の人は、このお祭りを楽しみにして1年を過ごしているようなところがあるとか。取材のこの日は、子どもたちが、本番に備えてお囃子の練習をしていました。
ひたすら楽しそうな子どもたちが印象に残りました
……と、掘り下げ始めるとキリが無い、熱海・湯河原の魅力。「ここが入っていない!」という情報をお持ちの方は、ぜひ編集部までお寄せください。
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