暮らし術

前回は別荘ライフの中で、「食」に焦点を当てましたが、今回は超富裕層の生活全般の楽しみ方についてご紹介します。

その土地ならではの地形、自然、景観を持ったゴルフコースを楽しむ

別荘地のアクティビティの代表格であるゴルフ。その土地ならではのコースがトレンドです。超富裕層に人気の別荘地、プーケット島やバリ島ともに世界トップクラスのゴルフコースを擁しています。写真にあるのはプーケット島のレッドマウンテンというコースですが、プーケット島の山中にある地形を活かしたダイナミックなコースで、もしこの地に別荘を持てば繰り返しラウンドして、いずれ攻略したいと思わせる素晴らしいゴルフクラブでした。

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他にも、マレーシア政府がシンガポールに近い立地を活かして、高級リゾート・別荘地として売り出そうと注力しているマレーシアのジョホール州にあるデサールでは、ゴルフコースを人気上昇の起爆剤として位置付けています。コース設計家としても高く評されながら、世界中でも10ほどしかコースのデザインを手掛けていない南アフリカのトッププロであったアーニー・エルスを招聘して、二つのゴルフクラブ合わせて45ホールの素晴らしいゴルフコースが作られています。

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シンガポールから近いこともあり、45ホールすべてをプレーする機会がありましたが、海沿いからジャングルまでマレーシアの大自然を堪能できるダイナミックなコースで、遠方からもこのためだけに来るだけの価値がある仕上がりでした。

さらにゴルフ好きの大富豪ともなると、自分で世界中から最高の立地を選んでゴルフコースを作ることまで行っています。初回のコラムで、ニュージーランドにヘッジファンドの大物だったジュリアン・ロバートソンが二つの世界的なゴルフコースを作った話を紹介しましたが、同じく米国人の金融マンにしてビリオネアであるリチャード・ケーンが、タライチというニュージーランドの大自然を最大限生かした超高級ゴルフクラブを最近作り上げました。

ジュリアン・ロバートソンによる二つのコースをも上回る高評価を、有力ゴルフ雑誌のランキングで得て大きな話題となっています。当然、これらの世界トップレベルのゴルフコースが続々と誕生しているニュージーランドに別荘を持ちたいという超富裕層の数は増えています。

 

若い富裕層の別荘ライフは超アクティブ

テクノロジー系の起業家など、世界では30代・40代の若い超富裕層が増えていますが、彼らはとてもアクティブな別荘ライフを送っています。
中でもトライアスロンは、3種目をバランスよく練習することで体全体を満遍なく鍛えられ、健康効果が高いと、私の周りの若手富裕層の間でも人気のスポーツです。
この影響で、トライアスロンの練習場所として、最適であるオーストラリアやニュージーランドに別荘を持つ若手富裕層は増えています。
シンガポールやドバイなど中東の富裕層の中でも、夏季休暇を過ごす場所としてオーストラリアやニュージーランドに別荘を持つ動きは広がっているので、現地の視察と子供をサマースクールに通わせるために、私たち家族も今年の夏はオーストラリアのサンシャインコーストとニュージーランドのオークランドに合わせて3カ月ほど滞在する予定です。
サンシャインコーストには、40-50kmのバイクの練習コースが10本以上あって、トライアスロンの練習場所として世界的に人気となっているため、8歳になる上の子供とせっかくなので現地でトライアスロンの練習をたくさんしようと楽しみにしています。

 

超富裕層が重視するヨットライフ

世界の超富裕層の間で年代を問わず、別荘地で行うアクティビティとして人気となっているのがヨットによるクルージングです。
クルージングの文化が最も深く根付いているのは地中海ですが、その中でも華麗さと豪華さで自分のヨットを浮かべるマリーナとしても最上といえるのがモナコでしょう。写真にあるように、モナコのマリーナでは一般的にスーパーヨットやメガヨットと呼ばれる、30m以上の巨大なヨットがリーナにぎっしりと浮かべられています。

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日本ではヨットというと帆を張るタイプの船だけですが、海外ではエンジン付きのクルーザーも含めます。知り合いに世界最大のヨット販売会社でエージェントをしている方がいるのですが、彼によるとモナコのマリーナに浮かべられているヨットの平均サイズはここ15~20年程で、30メートルから60メートルにまで大きくなっているようです。
それだけここ数十年で、世界中で超富裕層の数が増え、かなりの割合で自家用ヨットを所有するようになっているということでしょう。今や世界中の高級な別荘地には豪華なマリーナが併設されていることが一般的になってきています。

今年の4月に5年以上ぶりにドバイを訪れて、高級ブランドのブルガリが手掛ける人工島が丸ごとホテルとレジデンスとなっている移設を視察しましたが、ここでも人工島の真ん中にマリーナがありました。写真にあるようにスーパーヨットが停泊していて、ホテルを週末に訪れたので続々とマリーナからサンセットクルーズに出掛けるヨットの姿が見られました。

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たまたま、このドバイのブルガリレジデンスを所有していた米国人のスーパーリッチと話しましたが、彼がドバイの中でこのレジデンスを選んだのもマリーナが素晴らしかったからだとのことです。彼はドバイ以外にもフランス屈指の高級マリーナがあるサントロペにも家があって、欧州が寒い11~4月はドバイに自分のヨットを置き、夏場にはサントロペにヨットを移動させると話していました。マリーナには洗練されたデザインの豪華なヨットクラブがあって、現地に別荘を所有している富裕層たちの社交場となっています。こうした上質なコミュニティーに参加できると、世界中に富裕層の人脈が広がり、さらに強固となるでしょう。

シンガポールでも毎年4月頭にセントーサ島の会員制マリーナでヨットショーが開催され、ほぼ毎年参加しています。中国や東南アジアなど東アジアでも広く自家用ヨットによるクルージングが人気となってきているため、このヨットショーには海外から多くの超富裕層が訪れています。

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このセントーサ島にはコンドミニアムで数億円から、一戸建てのヴィラであれば10億円以上する高級物件が立ち並ぶシンガポール政府肝入りのゲートコミュニティーがあって、シンガポールで唯一外国人でも土地付き物件が購入できます。マリーナをこのコミュニティーの中心に据えて毎年ヨットショーを開催し、広くアジアから富裕層を集めるシンガポール政府の戦略は、別荘地に高級なマリーナと上質なクルージングライフを求める今のトレンドを見事にとらえているといえます。

次回は、一流ホテルでのリゾートライフの過ごし方についてお届けします。

 

※本記事は、岡村 聡氏の知識と経験にもとづくもので、わかりやすく丁寧なご説明を心がけておりますが、内容について東急リゾートが保証するものではございません。
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